森栄喜の個展「シボレス|破れたカーディガンの穴から海原を覗く」が恵比寿・NADiff a/p/a/r/tで9月13日(日)まで開催中。
森は、セクシャルマイノリティーをはじめとする多様性のあり方を主題とした作品を多く制作し、近年では、写真、映像、パフォーマンス作品、文章など多岐にわたる表現方法を展開しているアーティスト。パフォーマンス作品では、自らの体験や記憶を交えた「詩」の朗読や、他者との共演により、自己と他者の境界を探り、身体的な対話を試みてきた。それらは、ともすれば消えてしまいそうな小さな声を、小さな声のまま、公共に開き、そこに生まれる親密性を可視化する試みともいえる。
本展で披露する新作のサウンドインスタレーション作品は、森がこれまで行ってきたパフォーマンス作品から派生した思いや問いかけが、制作の出発点となっている。会場では、言語化さえされてこなかったような、すぐに過ぎ去ってしまう光景、ほんのささやかな思いを綴った言葉が、合言葉(Shibboleth)となり、さまざまなバックグラウンドを持つ男性たちによって、たどたどしい発音で繰り返し発せられ、重なり合い、響き合っていく。言葉から声へ、そして音へと変容し、言葉が抽象性や匿名性を高めつつも、集積や共有を経て、「親密な音/開かれた合言葉」へ向かう過程を、本展にて体感してほしい。
さらに本展では、書評専門紙『週刊読書人』連載の短篇「Letter to My Son」の書籍化を記念して、『Letter to My Son』(発行:KEN NAKAHASHI)のNADiff特別限定版の販売を行われるほか、9月6日(日)20:00より森栄喜、宇野良子(認知言語学者)、鈴木みのり(ライター)によるオンライントークイベントも開催される。
タイトル | 「シボレス|破れたカーディガンの穴から海原を覗く」 |
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会期 | 2020年8月28日(金)~9月13日(日) |
会場 | NADiff a/p/a/r/t(東京都) |
時間 | 13:00~19:00 |
休廊日 | 月~水曜 |
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