カルティエ現代美術財団がミラノ トリエンナーレと8年間のパートナーシップを締結し、共同プログラムをミラノで開催することを発表。10月からブラジルで活動する写真家クラウディア・アンデュジャールの展覧会「The Yanomami Struggle(ヤノマミ族の闘い)」をスタートした。
ミラノ トリエンナーレ内1,300平方メートルのスペースがカルティエ財団とのプログラム会場となる。アンデュジャールは50年以上にわたり、ブラジルの先住民族ヤノマミ族を撮影し彼らの保護に人生を捧げてきた写真家。新型コロナウイルスが蔓延するブラジルにおいて、ヤノマミ族の居住地域もそれを免れない。また、金が採れる土地のため、違法な金採掘業者に侵略されているという。展示では環境と倫理について考えさせられる。
キュレーションはブラジルのモレイラ サレス インスティチュートの現代写真部部長チアゴ・ノゲイラ。アンデュジャールの300点以上の写真をメインに、彼女の写真界への貢献の足跡を辿る。アート表現に加えて、人権活動にも従事してきたアンデュジャールの人となりを浮き彫りにする展示だ。カルティエ現代美術財団は20年以上にわたり、アンデュジャールのヤノマミ族との活動を支援しており、2003年には「Yanomami, Spirit of the Forest」展を開催。以降、たびたびアンデュジャールとコラボレーションしてきた。
カルティエはフランス発祥のジュエラーだが、イタリアの現代アートシーンと密接なつながりを持っており、アレッサンドロ・メンディーニ(Alessandro Mendini)、エンツォ・マーリ(Enzo Mari)、アンドレア・ブランツィ(Andrea Branzi)、ジュゼッペ・ペノーネ(Giuseppe Penone)、フォルマファンタズマ(Formafantasma)と交流、作品の所蔵をしている。コンテンポラリーアートや建築、映画などを収蔵する同財団だが、森山大道や川内倫子の個展など写真展も多く行ってきたことはすでに周知の通り。
パリのカルティエ現代美術財団 © Luc Boegly
「The Yanomami Struggle(ヤノマミ族の闘い)」は2021年2月7日まで開催。その後は、カルティエ現代美術財団のコレクションの中からアルゼンチンのアーティスト、ギジェルモ・クイッカ(Guillermo Kuitca)が選定・監修にあたる 「Les Citoyens(市民)」展が開催される。
コロナ禍の現在、ヨーロッパへの海外渡航が難しい時期だが、ライブショーも予定されているので、今後の両者のパートナーシップに引き続き注目だ。
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。