テラススクエアフォトエキシビション第17弾、濵本奏「autonoetic」展が、11月2日(月)からテラススクエア1F エントランスロビーで開催中。
濵本は2000年、横浜市生まれの写真作家。一昨年より写真をメディウムにインスタレーションや写真集などで積極的に作品を発表してきた。
すべて新作で構成される本展「autonoetic」では、これまでの作品に個人的な創作への感情をさまざまなマテリアルで展開するオブジェクトに付与し、濵本が突きつめてきた物質性をともなったコンセプトをさらに深化させた濵本の現在の姿をみることができる。
展示されるのはさまざまな来歴をもった物質そのもの、あるいは写真作品が印刷されたオブジェクト。いわゆる額装された写真作品は一点もない。それらはすべて作家が自宅近くの浜辺で採取してきた漂流物、あるいは解体される民家から採掘してきたものである。作家はそれらを採集した場所で、かつてそれらが見ていたであろう景色をカメラで記憶をたどるかのように撮影し、「FLAT LABO」のプリンティングディレクターによる高度な技術で定着させる。そうやって物質がもっていた意味を受容しながら、あらたなオブジェクトへと変換し価値を更新させるという試みがここにはある。
それは近世以降だけでも200年近くにわたり、目の前の現象をさまざまなメディアの上に定着させながら、表現の上で姿を変え進化させてきた“写真”というメディウムへのある種の挑戦ともいえるものともいえるだろう。
Text=加藤孝司 Takashi Kato
タイトル | 「autonoetic」 |
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会期 | 2020年11月2日(月)~2021年2月19日(金) |
会場 | テラススクエア(東京都) |
時間 | 8:00~20:00 |
休館日 | 土日曜、祝日 |
URL |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。