1960年代から写真家として活躍し、82年に「職業写真家終止符宣言」をした後、淡路島で瓦の製造に携わってきた山田脩二の個展「新版『日本村』1960-2020 写真プリントと印刷」が、1月24日(日)までKanzan galleryで開催中。
1950年代後半に桑沢デザイン研究所で学んでいた山田は、大辻清司を通して写真と出会う。職業としてはグラフィック・デザイナーを目指しており、同校修了後、まずは印刷のプロセスを知るため凸版印刷に就職。しかし独立すると、次々と舞い込んできたのはデザインの仕事ではなく、雑誌やカタログ用の写真の撮影だったという。この時期の山田は、東京で撮影をこなす一方、それ以外の時間は日本全国を気ままに巡る旅を繰り返した。その眼と肌で会得した体験が写真家・山田脩二の屋台骨をつくりあげていく。そして、60年代半ばから建築雑誌やグラフ誌に舞台を移した山田の写真は、次第に写真評論家や建築家、カメラ雑誌から注目を集め、発表の場がさらに広がっていった。東京国立近代美術館での「現代日本15人の写真家展」(1974年)へ参加し、アサヒカメラの口絵を飾るなど、当時の写真界でその評価を高めながらも、山田は1983年末のミノルタフォトスペースでの個展を終えると「職業写真家終止符宣言」をし、淡路島に移転。20代の頃に立てた人生計画通りに瓦の製造に携わり、瓦師と名のり、分野をこえて活動を行っている。
今回、60年にわたる集大成となる最新写真集「新版 『日本村』1960-2020」(平凡社)を出版。本展では、山田の手焼きプリント、ネガからのラムダプリント、写真集の印刷の過程で制作された色校正に加え、雑誌などの印刷物を展示。また、本展のために行ったインタヴュー映像も観覧できる。
タイトル | 「新版『日本村』1960-2020 写真プリントと印刷」 |
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会期 | 2020年12月11日 (金)~ |
会場 | Kanzan Gallery(東京都) |
時間 | 12:00~19:30(日曜は12:00~17:00) |
休廊日 | 月曜、12月28日(月)~2021年1月4日(月) |
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。