加納俊輔の作品展「滝と関」が神楽坂・Maki Fine Artsで6月5日(日)から開催される。
加納の作品は、写真を通じて、画面に複雑な階層を意識させるイリュージョンを生み出す。版画の制作アイデアであるレイヤーの重なり(積層)と、記録装置としてのカメラ(写真)の特性を活かしながら、画面を圧縮していく手法で生み出される作品は、ものの前後関係や奥行きが曖昧になる錯視効果を与える。
2013年の初個展以来、Maki Fine Artsでは6度目の個展となる本展では「ピンク・シャドウ」 シリーズの最新作を発表。「ピンク・シャドウ」は、印画紙が光を透過する性質を利用して制作されている。これまでの加納の作品の特徴は、表面からのレイヤーを重ねていく方法、「積層」によるものが大半だったが、「ピンク・シャドウ」は裏面からの層が付け加えられたもの。このアイデアは、版画家・井田照一の作品からヒントを得たもので、表と裏を同時に見ることを実現化している。
2018年のMaki Fine Artsでの個展「ピンク・シャドウ」で初めて発表された作品から発展し、 本展の新作はさらに多重の要素が加えられ、複雑化したレイヤーにより設計されている。 画面の中心を構成するパターンの図(花柄やストライプなど)は、透明ビニールにシルクスクリ ーンで柄を刷ったもので、実際にはプリントされた写真の裏側に置かれたもの。裏面から 投影されて見える図像と、写真上で随所に構成された木片の陰影とのバランスが、視覚の動線を作り出し、より立体感のある階層のイリュージョンを作る。
タイトル | 「滝と関」 |
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会期 | 2021年6月5日(日)~7月4日(日) |
会場 | Maki Fine Arts(東京都) |
時間 | 12:00~19:00(日曜は17:00まで) |
休館日 | 月火曜 |
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