20 July 2021

岡本太郎の小宇宙ともいえるような写真群「太郎写真曼陀羅 ―ホンマタカシが選んだ!! 岡本太郎の眼―」展

20 July 2021

AREA

東京都

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「大阪市街」1957年1月18日

「大阪市街」1957年1月18日

「太郎写真曼陀羅 ―ホンマタカシが選んだ!! 岡本太郎の眼―」展が、川崎市岡本太郎美術館で10月11日(月)まで開催中。

岡本太郎は、雑誌連載の企画で日本各地を取材のために訪問し、文章の挿図のために自ら写真を撮り続けた。そこには、1954年の写真家・土門拳との対談で自身が述べた通り「偶然を偶然に捉えて必然」にした像がたしかに撮影されている。岡本の写真は記録であるものが多く、それはカメラを通して岡本が対象に見出した発見の記録だったのだろう。

一方、対象との特有の距離感とクールな色合いを持ち、被写体をその背景や文脈から切り離して写し出すことで高い評価を得てきた写真家・ホンマタカシは、自身の写真について「写真を使った世界の見方をさまざまに問いかける試み」 であると語っている。

本展は、岡本が撮影した写真を中心に掲載した『太郎写真曼陀羅』(筑摩書房、2011年)をホンマタカシの視点から再構成する写真展。ホンマが選んだ写真は、岡本が取材の対象として被写体に迫るように撮影したものではなく、街中の看板や建物、旅先で出会った女性、ふいに写り込んだ人々など、取材の合間に何気なく、ついシャッターを切ってしまったように見える写真。そういった「なんてことない風景」の中にホンマは写真の、そして岡本の世界の魅力を見出した。また、自身が写すだけでなく、他者が撮影した像をも取り入れて作品としてきたホンマの視線は、岡本が写した写真と写された写真を区別せず、「岡本太郎が居て、そこになんらかのコトが起こっていて、誰かがシャッターを切る」それが岡本太郎の写真であるととらえた。多くの未発表作と岡本自身を合わせた、この岡本太郎の小宇宙ともいえるような写真群は、岡本の写真の新たな見方を発見する手がかりとなるだろう。

タイトル

「太郎写真曼陀羅 ―ホンマタカシが選んだ!! 岡本太郎の眼―」

会期

2021年7月17日(土)~10月11日(月)

会場

川崎市岡本太郎美術館(神奈川県)

時間

9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)

休館日

月曜(8月9日、9月20日、10月11日を除く)、8月10日(火)、9月21日(火)9月24日(金)

観覧料

【一般】900(720)円【高・大学生・65歳以上】700(560)円【中学生以下】無料*常設展も観覧可/( )内は 20名以上の団体料金

URL

https://s.imaonline.jp/3zaO6s2

「沖縄・琉球紅型研究会」1959年11月21日

撮影者不詳「秋田 飯田川」1957年2月14日

「徳島・阿波踊り」1957年8月9日

「三重 伊勢市~松阪市」1958年3月21日

撮影者不詳「大阪」1957年7月18日ー19日

《若い夢》1974年 FRP

《動物》1983年 FRP

「沖縄 竹富島・伝統の踊りを見る人々」1959年11月29日

「機上より(九州へ向かう途中富士山を望む)」1955年9月25日

「東京 青山・アトリエの庭」 撮影年不明

「土偶(神奈川県横浜市出土)」1956年2月23日

「長崎市街」1957年3月6日

「沖縄 斎場御嶽」1959年11月23日

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