寺沢美遊「UNOWNED」展が、9月19日(日)まで初台・LAID BUGで開催中。
本展では、彼女が日常利用するカーシェアリングサービスに端を発し、自身にとって“非所有”とはなにかというテーマで撮影した作品が並ぶ。本展はとりわけ車と車にまつわる情景が多い。作品を通じて車を人間や社会の比喩として扱う事例はこれまでもさまざま存在していて、例えばかつての映画作品においても車が男性性/女性性の象徴であったり、社会構造のメタファーとして登場する例は枚挙にいとまがない。そして、やはり寺沢にとっても車は移動手段以上の事象なのである。“運転しているときに、安心と開放感で自分が自分らしい形をしてると思える。動きやすい服を着てるときのような”と彼女は語る。運動体の延長としての車。だが所有という手段に至らないのはなぜか。そこに彼女と車、彼女と社会の距離感が見えてくる。
所有することこそが愛、という前提から翻って、所有しないことが愛と呼べるかというシミュレーション。そしてそれにまつわる美意識について。彼女が出した現時点の回答が本展で垣間見えるだろう。
会期中には今年6月から7月にかけて彼女が訪れたニューヨークでの所感をまとめた手記『Broken Diary』も販売。このZINEもまた写真とは別の角度から切り取られた彼女の眼差しである。
タイトル | 「UNOWNED」 |
---|---|
会期 | 2021年9月4日(土)~9月19日(日) |
会場 | LAID BUG(東京都) |
時間 | 15:00~20:00 |
休廊日 | 月火曜 |
URL |