他者と通じ合う可能性を探る、遠隔パフォーマンス＆展示「We will sea」が福岡市で開催

北九州在住のソー・ソウエンとアムステルダム在住のサラ・ミリオによる遠隔パフォーマンス「We will sea」が11月26日（金）〜28日（日）まで、アーカイブ展「We will sea」が12月1日（水）〜12月5日（日）まで福岡県福岡市の虚屯にて開催される。

ソウエンとミリオによって2021年5月に始まったパフォーマンスプロジェクト「We will sea」は、約9,000kmもの距離を隔てた両者がZoomやSkypeなどで通信し、プロジェクションされる身体像と、生身の身体によって繰り広げられる。二人は同じようにシンクロした動きをとったり、プロジェクションされた身体像をトレースしたり、それぞれのペン先を合わせてドローイングを行う。お互いに息を合わせようとしてもオンライン上で発生する「遅延」が二人の「隔たり」を可視化させるとともに、二人の描いた線が存在の痕跡として残るため、仮想空間と実空間の「共有」の可能性や限界を感じさせるだろう。関係性を築く中での信頼と齟齬、身体を有することの希望を含むこのパフォーマンスは、「他者と通じ合うことはいかにして可能か」という問いを鑑賞者に投げかける。

またアーカイブ展示では、3日間で行われたパフォーマンス「We will sea」の記録映像に加え、アムステルダムと福岡それぞれに在住する両者が、さまざまな隔たりの中でパフォーマンスを練り上げるまでのプロセスを、テキスト、ドローイング、映像や写真を用いて展示する。期間中はアーカイブブック『We will sea』（虚屯出版）も発売予定。二人が紡ぐ近くて遠い空間を体感する貴重なパフォーマンスをお見逃しなく！