02 November 2021

アフリカのやわらかな光と現前する被写体の無意識な姿とが交差する、山元彩香「We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers」展

02 November 2021

AREA

東京都

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Ayaka Yamamoto,

Ayaka Yamamoto, "Untitled #300, Mzimba, Malawi", 2019, C-print © Ayaka Yamamoto. Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

山元彩香「We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers」展が11月13日(土)までタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムにて開催中。

自然光の差し込む静閑な画面のなかに佇む少女たちのポートレイトで知られる山元は、それらの写真表現において、被写体個人が日頃纏っている仮面の下に覆い隠された器としての人間の普遍的な姿へと関心を寄せている。2009年のエストニアでの制作以降、言語による意思疎通が難しい異国の地を訪れては、被写体や衣装、撮影場所を現地で見繕い、言葉を交えず身体的感覚によるコミュニケーションを通じて制作を行うという独自のプロセスを取り入れてきた。一定のトーンを放つ山元の作品からは想像し難いほどに多層的に練り込まれたその写真行為は、積み重ね行われることにより、少女たちがみせる無意識の断片の集積として結実している。

本展のタイトル「We are made of Grass, Soil, Trees, and Flowers(人は土と木と草と花でできている)」は、タカ・イシイギャラリーでの2018年の個展タイトルに花という単語を付足しており、前作までの制作における作品概念の存続の意を表している。本展では、これまでの中心的な撮影地であった東欧から飛び出し、アフリカ大陸マラウイを訪問し撮影された作品を展示する。訪れた土地やそこに住まう人々が内包する文化、習慣、信仰などの蓄積された帰属意識が包括的に受け入れられ制作に落とし込まれている。映像作品を含むこれまでの制作の延長線上として、より親密な視点へと膨らみをみせる本作からは、豊かに差し込むアフリカのやわらかな光と現前する被写体の無意識な姿とが交差するその瞬間に魅せられた作家の静かな興奮が伝わる。

また本展開催と同時期に、作品集『We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers』が刊行される。

タイトル

「We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers」

会期

2021年10月16日(土)~11月13日(土)

会場

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム(東京都)

時間

12:00〜18:00

休廊日

日月曜・祝日

URL

https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/25659/

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