アントワン・ダガタ「VIRUS」展が、3月6日(日)まで恵比寿・MEMで開催中。
本作「VIRUS(ウイルス)」は、2020年3月17日、フランスでロックダウンが始まったタイミングで撮影を開始したプロジェクト。撮影は同年5月中旬までほぼ2カ月にわたって行われた。パリに加え、タヴェルニーやマルセイユなどいくつかの都市の病院で撮影を行ったという。病院のなかに患者が担ぎ込まれ治療されている現場を撮影したパートと、閑散とした街の路上を撮影したパートから構成され、内と外で進行するパンデミックをとらえている。ぽつんと途方に暮れたようにたたずむ人、身を寄せるところがない路上生活者、病院の集中治療室で横たわる患者、人も環境も建物も、ディテイルを奪われ、色彩のスペクトラムに還元されて表現されている。被写体の温度を色によって表現するサーモグラフィーで撮影しているのである。熱の分布が色で示されるため、そこにウイルスが存在し、人間とウイルスが共存していることがわかる。ウイルスの存在をカメラに収めるため、サーモグラフィーによる撮影に行き着いた。
本シリーズは、2020年7月にフランスのアルルで最初に展示され、その後メキシコ、スペイン、イタリア、中国、韓国、ウクライナで展示された。同名の作品集も出版され、映像作品もオンラインで公開されている。1〜2年の間に世界中、さまざまなメディアで展開され、日本での本シリーズの個展は初開催となる。
なお、会期中の毎週末には展示会場に隣接する部屋で120インチスクリーンに映像作品が上映される。完全予約制、予約はギャラリーサイトにて。
タイトル | 「VIRUS」 |
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会期 | 2022年2月3日(木)~3月6日(日) |
会場 | MEM(東京都) |
時間 | 13:00~19:00 |
定休日 | 月曜 |
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