30 August 2022

上田義彦新作展「Māter」根源的な生命としての存在を作品に表す

30 August 2022

AREA

東京都

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©︎ Yoshihiko Ueda

©︎ Yoshihiko Ueda

上田義彦新作展「Māter」が、8月27日(土)から小山登美夫ギャラリー六本木で開催中。

作品名となる「Māter」(マーター)はラテン語で「母・源」という意味。出展作は、夜の月の光で滝、渓谷と、女性の身体を撮影し、それを1対の作品としている。水、人体、母、地球、月の力、太古から連綿と続く命を生む力として、自然や女性の体は対等な、密接に繋がるものであり、朧げに写し出された水流と女性の体の肌のなめらかさからは、艶かしさや、気配、自然の呼吸まで感じるような不思議な共通するものがある。それは、通常私たちが「水とは」、「滝とは」、「人の体とは」こういうものだと、それぞれ記号的に別のものとして理解しているのであって、実はこれらは地球において、生命として全て繋がっており、ひとつの大きな織り物のように編み込まれた存在である。自然と人をすべてを対等にとらえ、根源的な生命としての存在を作品に表す、上田独自の深い眼差しがその真実を教えてくれる。

今回の作品は、1990年に撮影したアメリカインディアンの聖なる森「Quinault」に始まり、2011年屋久島の森を撮った「Materia」、そして2017年の「林檎の木」に続く、命の大元を探る一連のシリーズの延長上にあるもの。地球という、命を生む力を奇跡的に持つ惑星をひとつの大きな生命体とし、その断片としての「水・岩」と、やはり命を産む力を持った女性を、地球の断片としてとらえる。夜の闇の中で命の蠢き(うごめき)だけを浮かび上がらせ、それ以外のものは深い闇の中に沈み込ませる「月の光」で撮影し続けた、まるで謎に包まれた命の大元を推察するひとつの旅だった。

「宇宙の暗闇に浮かぶ、青く美しい地球の姿は、奇跡の生命体そのものだ。」中学1年のときにアポロ宇宙船から撮られた写真を見た際、そう感じたのがいま思えばこのシリーズの始まりだったのかもしれない。と上田自身語っている。

タイトル

「Māter」

会期

2022年8月27日(土)~9月24日(土)

会場

小山登美夫ギャラリー(東京都)

時間

11:00~19:00

休館日

日月曜、祝日

URL

http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/yoshihikoueda2022/

「Māter」 c-print, wood frame image: 11.0 x 16.5 cm / frame: 45.0 x 55.0 cm ©︎ Yoshihiko Ueda

「Māter」 c-print, wood frame image: 11.0 x 16.5 cm / frame: 45.0 x 55.0 cm ©︎ Yoshihiko Ueda

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