小野久留美「Maw of the Earth」展が10月15日(土)から鎌倉・Gallery Pictorで開催される。
小野は、自身が撮影した写真を紙に印刷し、それを土の中に埋め、土壌の成分や水分、地中の生き物たちによって自然に変化したものを作品としている。掘り出した作品たちは、同じ時間に同じ場所で同じモチーフを撮影したものであっても、異なる表情を見せる。一個一個の生が、膨大な可能性のうちの偶然の積み重ねによる、あるひとつの結果だったのと同じように。小野の作品は、そのたった一個の生を起点に、それと関係しているであろう長い長い時間や広大な世界の拡がりを想起させる。
小野がこのような制作手法に辿りついたのは、あらゆるものの「無常」に対し、人間が抱く「保存への憧れ」に興味を抱いたためだという。変わりゆくものに感じる「儚さ」は、人間の感情の現れであり、これまでの彼女の作品もその視点に立っていたように思われる。しかし本展では、制作者の視点は人間のみならず数多くの生物・非生物の視点へと開かれ、変化することで生命をつないでいくものたちの「強さ」を感じさせる。
タイトル | 「Maw of the Earth」 |
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会期 | 2022年10月15日(土)〜11月3日(木・祝) |
会場 | Gallery Pictor(神奈川県) |
時間 | 11:00~18:00 |
休館日 | 月火曜 |
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