石内都 「Naked Rose」が、7月9日(日)までSUPER LABO STORE TOKYOにて開催中。
大好きだった薔薇がある日飽きてしまい、買って飾る事も見る事もなくなって久しい頃、薔薇を撮りませんか、と依頼があった。花を撮影したことはことは今までなかったが、薔薇である。忘れていた薔薇を撮ることにした。薔薇の花は朝日と共に蕾が開き、その瞬間に芳醇な香りを放ち、時間と共にその香りは薄れてしまう。ここに登場する薔薇達は香り立つ薔薇と違って時間を受け止めた薔薇達だ。開花して香りが欠けた花弁の上に太陽の光が注がれ、時々雨や風が降りしきり、時間が刻一刻と全身に浸透して枯れていく。花弁は人肌に近く、花形は性器に近い。この撮影のきっかけは薔薇の香水の研究書にそえる写真だった。しかし私の薔薇の写真は香水の研究にあまり役に立たず、作品として自立してしまった。美しさや香りとしての薔薇の見方よりも生命のひとつのカタチとしての薔薇、時間の経過を受けとめる身体のしての薔薇。そして次の芽吹きの為にバッサリ切られて捨てられる。そのプロセスが植物ならではの物語として興味深く、改めて薔薇が好きになったのである。
なお、同名写真集も刊行される。
タイトル | 「Naked Rose」 |
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会期 | 2023年5月26日(木)〜7月9日(日) |
会場 | |
時間 | 12:00〜18:00 |
休廊日 | 月火曜 |
URL | http://www.superlabostoretokyo.com/2023/05/miyakoishiuchi-nakedrose/ |