映像のゆらぎを通して、鑑賞者の記憶を掬う
「松原健 / うつろい」展

アーティストの松原健による展示「松原健 / うつろい」がPOSTで8月4日（金）から開催中。

1980年代よりニューヨークを拠点に活動している松原は、映像、写真、オブジェを組み合わせる作風で知られている。反復する映像のゆらぎによって、人々の心の奥底に沈む「記憶」を呼び覚ます作品を作り続けてきた。近年の作品では東洋的な無常の概念に関心を持ち、日本人の美意識の根底にある、時のうつろいに対するもののあわれを、過去の記憶というネガティブなアプローチではなく、未来の記憶というポジティブなアプローチをもとに制作している。

本展では、これまで松原が追求してきた記憶の反復による時のうつろいを、透明スクリーンを使用した映像作品などによるインスタレーションと、ガラスのフレームに直接フィルムトランスファーした平面作品によって展示する。さらに、2022年にニューヨークの MW Editions より出版された作品集『KEN MATSUBARA』の販売も行う予定だ。