雑誌『写真』vol.4「テロワール/TERROIR」の刊行を記念して、石川竜一個展「風土 人間の殻」と、口絵作家6名(笹岡啓子、田附勝、中井菜央、山口聡一郎、田代一倫、北井一夫)による特別展示が、コミュニケーションギャラリーふげん社で9月3日(日)まで開催中。
7月20日にふげん社より発行された雑誌『写真』(Sha Shin Magazine)vol. 4のテーマであるテロワール(Terroir)は、ワインの品評において「土地の味わい」を表すフランス語。日本各地で制作を続ける写真家たちがとらえた、風土をめぐる写真を一望し、環境が彼らにどのように影響を与え、新たな表現となり立ち現れてくるのかを提示している。
vol.4「テロワール/TERROIR」の巻頭は、石川が本誌のために撮り下ろした新作「風土 人間の殻」を掲載。ふげん社3階では、本誌掲載作を含む約30点を展示する。石川は『okinawan portraits 2010-2012』、『絶景のポリフォニー』(2014、赤々舎)の自身の出身地である沖縄で撮影したスナップとポートレートで第40回木村伊兵衛写真賞を受賞し、高い評価を得ている。沖縄以外の日本各地のスナップを収めた最新写真集『zk』(2022)から繋がる今回の掲載作は、「人は人の中に景色を見ることができる」と本人が語るように、それぞれのポートレイトからは地域性、歴史性、社会性、精神性というそれぞれの個が立ち上がる一方で、人間の動物的な存在という普遍性を際立たせている。
また、vol.4「テロワール/TERROIR」特集の口絵掲載作家である笹岡啓子、田附勝、中井菜央、山口聡一郎、田代一倫、北井一夫の作品を、同じくふげん社2階・Papyrusギャラリーにて展示。独自の距離感を持って、それぞれの土地と関わり合いながら生み出された写真作品を、本誌と合わせてぜひ観てみてほしい。
会期中9月2日(土)には、誌面で対談を行った石川竜一×飯沢耕太郎(写真評論家)のトークを開催。また、同じく誌面で美術史家・伊藤俊治の故郷の風土を綴った書き下ろしテキスト「秋田 その風土と世界性」とコラボレーションした写真家・石川直樹と、雑誌『写真』編集長・村上仁一とのトークが8月27日(日)に開催される。
タイトル | 石川竜一個展「風土 人間の殻」 |
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日程 | 2023年8月3日(木)〜9月3日(日) |
会場 | コミュニケーションギャラリーふげん社(東京都) |
時間 | 12:00〜19:00(土日は18:00まで) |
休廊日 | 月曜 |
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