森下大輔作品展「存在するとは別の仕方で」が、8月29日(火)からPGIにて開催される。
森下は、「存在」や「関係性」を核となるテーマにしている。事象を見つめ、シャッターを切り、暗室でプリントを制作、印画紙の上に二次元の視覚表現として立ち上がらせる、という変哲のない写真行為の繰り返しのなかで、写真を通して世界の原質に触れようとし、世界という存在を証明することを希求し続けている。
本展は、敬愛するフランスの哲学者、エマニュエル・レヴィナスの著書表題から取った、「存在するとは別の仕方で」をタイトルとしている。前作同様に6×7センチ判のカメラを用いて風景に対峙しながら、同時に、2014年ごろより試行錯誤を続けてきた、4×5インチの大判カメラによるモチーフを写した作品の二つから成っている。6×7の作品は、自身がこれまで被写体としてきた都市を離れて日本国内各地を周り撮影した。その場所にある静かに積み重ねられた時間が、森下の作品に写る。写真には「何か得体の知れないもの」が写ると信じ、そこから人間や物の存在ということを思考し続ける、祈りにも似た森下の写真制作は、本作にて「もの」を撮影するという新たなスタイルとなって結実した。身の回りにある用を成さない「価値や意味が宙に浮いてしまったもの」が題材となり、抽象的な画を結んでいる。
本展では、ゼラチンシルバープリント作品約30点が展示される。
タイトル | 「存在するとは別の仕方で」 |
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会期 | 2023年8月29日(火)〜10月3日(火) |
会場 | PGI(東京都) |
時間 | 11:00~18:00 |
休館日 | 日曜・祝日 |
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