「『現代ストレート写真』の系譜」展が、12月6日(水)から恵比寿・MEMで開催される。
2013年、MEMは牛腸茂雄没後30年の個展を開催。あれから10年、本展は牛腸没後40年を節目に改めて構想、企画された。牛腸の写真も含め当時議論されたコンポラ写真と呼ばれたスタイルや現象の正体は、何であったのか、そして、作品をそう呼ばれた当事者たちは、どういう考えを持って写真を撮っていたのだろうか。牛腸らの、穏やかな目で身近な日常をストレートにとらえた写真は、体制批判と闘争を展開していた当時の評論家、写真家から厳しく批判された。一方で、同時代的に同様の表現が多く生まれ、表現の拡散する今日にあっても共感を持ち脈々と受け継がれている。
本展は70年前後に一斉に興り注目された写真のスタイルが、ある時代桑沢デザイン研究所に在学した学生、助手、教師たちの不思議な縁がひとつのカタリストになって発展した背景を考察する。展示する写真家は、潮田登久子、牛腸茂雄、佐治嘉隆、関口正夫、三浦和人。関口は牛腸と『日々』という写真集を制作。佐治嘉隆は牛腸とデザイン事務所を運営、三浦はいまに至るまで牛腸の遺した作品の管理とプリント制作に携わっている。この4人の先輩でクラスで助手を務めていたのは、潮田登久子だった。石元泰博、大辻清司ら当時の教師の存在はさまざまな面で彼らの作品に影響を与えている。第一部は、5人の写真家が主に桑沢デザイン研究所在学中に撮った写真、第二部は卒業以降の代表作をそれぞれ中心に展示される。
また本展に併せて、各作家(佐治嘉隆は妻の佐治いく子)、島尾伸三、飯沢耕太郎の文章と年表等資料を収録した展覧会図録が出版されるほか、12月9日(土)、1月27日(土)にトークイベントが開催される。
タイトル | 「現代ストレート写真」の系譜 |
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会期 | 【第一部】2023年12月6日(水)~12月24日(日) |
会場 | MEM(東京都) |
時間 | 13:00~19:00(12月9日、1月27日はトークイベントのため観覧は16:30まで) |
休廊日 | 月曜(月曜が祝休日の場合は営業し、翌平日休業) |
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