ブルックリンの空き地で消えゆく美を記録した、
Yasuyuki Takagi「BLR: Brooklyn Lot Recordings」展

写真家、Yasuyuki Takagiよる写真集『BLR: Brooklyn Lot Recordings』の刊行を記念した展示「BLR: Brooklyn Lot Recordings by Yasuyuki Takagi」が、BOOK AND SONSで12月10日（日）〜12月26日（火）まで開催される。

現在国内外で活動するTakagiの写真のキャリアは、1993年、ニューヨークのブルックリンに移住したことから始まった。自宅周辺の街の景色を撮り始めたTakagiは、新しい環境を探求する好奇心に駆られ「ブルックリン・ロット・レコーディングス」というプロジェクトをスタート。その後10年間にわたりブルックリンの空き地を撮り続け、それから30年が経った今年、当時の写真をまとめた『BLR: Brooklyn Lot Recordings』が刊行された。本展示では1Fと2Fのスペースを使い、約30点の作品が展示される。

2001年9月11日の惨劇を境に、マンハッタンの人々がブルックリンに移動したことで始まったジェントリフィケーションは、ブルックリンに根本的な変化をもたらした。Takagiは自分の写真が、場所の本質と精神を将来世代のために保存する役割をもたらすことを痛感したという。本書は、写真の持続的な力を証明するとともに、消えてしまった場所の記憶を未来につなげる架け橋となるだろう。また、作家と交流のあったアーティストのホセ・パルラやセヴィンチ・チャルハノールが本書のために詩を綴っている。