Reminders Photography Stronghold(東京)とRPS京都分室パプロル(京都)にて、鈴木萌の写真展 「Aabuku」が開催される。本展は、2020年に発表された「底翳(SOKOHI)」 を始め、病や家族の関係性、都市開発などによって変化する記憶を視覚的に表現することへ挑戦し続けてきた鈴木が、2021年から取り組んできた新作が初披露される場となる。
「Aabuku」は、沖縄県における米軍基地由来の「有機フッ素化合物」(PFAS)による汚染問題をテーマにした作品とである。PFASとは、自然界や人間の体内ではほとんど分解されることのない 「永遠の化学物質」(フォーエバーケミカル)の異名を持つ発がん性物質である。
2016年、沖縄県中部の浄水場から島民45万人に供給される水道水が、PFASで汚染されていることが公表された。202年には、宜野湾市の普天間飛行場の格納庫にあった火災報知器が誤作動し、大量の泡消火剤の泡が排水溝を通って基地外に流れ出た。ふわふわと漂い、いつまでも消えない泡には高濃度のPFASが含まれていたという。日常的に、人々が飲んだり、触ったり、植物や野菜に撒いたり、顔や体を洗ったり、拝んだりしていた水の中に含まれていた目に見えないもの--鈴木は、3年間に渡るリサーチを通して、データなどの情報収集をしながら汚染された水や土地につながりのある人々を訪ねて集めた「記憶」から、環境汚染やその背後にある社会構造をとらえようとしている。
タイトル | 「Aabuku」 |
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会期 | <東京>2024年2月10日(土)〜2月25日(日) <京都>2024年5月3日(金)〜5月12日(日)
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会場 | <東京>Reminders Photography Stronghold Gallery <京都>RPS京都分室パプロル |
時間 | 13:00~19:00 |
URL |