知覚、空間、写真の関係とは？ 新進気鋭のアーティスト、ウー・ユモによる個展「不確かな部屋（Room without a Clear View）」

ウー・ユモによる個展「不確かな部屋（Room without a Clear View）」が、THE SHOPHOUSE｜KYOTO 27で2025年5月11日（日）まで開催中。

ウー・ユモは1995年、中国内モンゴル生まれ。現在は中国、北京とドイツ、デュッセルドルフを拠点に活動している。カメラを自身の身体の器官のひとつとして用いるユモは、感覚そのものを表現の手法として取り入れることで、現実とは少しずれた「もうひとつの現実」をとらえる作品を制作している。本展は、ガラス窓がなく、半透明の障子越しにだけ外からの光が差し込む和室のような空間で行われる。展示されるのは、実際の映像とそこから生成されたイメージがいくつか重なり合って構成されている部屋シリーズと、つかみきれない雲のかたち、撮影時の手の震え、デジタル上のブレやズレなど、複数の動的要素が交錯する中で生まれている雲シリーズだ。展覧会名にもある「不確かさ」とは、単に視界が曖昧になることだけではなく、物事の意味がすぐには掴めない、理解の揺らぎや知覚のあわいを含んでおり、「不確かさ」の中に息づく知覚、空間、写真という要素の複雑な相互関係を探求する展示となっている。

また本展は、今後の活躍が期待される写真家やキュレーターの発掘と支援を目的に2013年にスタートした、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭と連帯し同時開催しているKG＋の展示のひとつ。京都府内の至る所で100以上の展覧会が同時期に開催中だ。未知なる可能性に出会えるこのチャンスに、ぜひ京都に足を運んでみてはいかがだろうか？