ライカIの誕生100周年を記念し、世界各地のライカギャラリーで「過去と現在の写真の対話」をテーマとした展覧会シリーズが進行している。その第10章として、ライカギャラリー表参道では10月1日から11月30日まで、巨匠エリオット・アーウィットと東京を拠点に活動する米国人写真家ジョン・サイパルによる二人展「In Conversation: A Photographic Dialogue Between Elliott Erwitt and John Sypal」が開催される 。
1928年にパリで生まれ、マグナム・フォトのメンバーとして数々の歴史的瞬間や日常のユーモラスな情景を切り取ってきたアーウィット。彼のモノクローム作品は写真史に刻まれる傑作であり、特に犬を被写体とした作品はそのユーモアと人間味で広く知られる。一方、1979年米ネブラスカ州生まれのサイパルは、2004年の来日以降、東京の街角を舞台に日常の偶然を捉え続けてきた。彼の活動「Tokyo Camera Style」は、日本の写真文化を海外に発信する試みとしても注目を集めている 。
本展では、二人の作品がオリジナルプリントとして並び、時と場所を超えて呼応し合う。サイパル自身も「アーウィットの“写真は見たものに反応すればいい”という姿勢に共感し、偶然の瞬間こそ最も純粋な写真表現となり得る」と語る 。両者に共通するのは、人間や動物に対する温かな視線と、世界に対する好奇心、そして写真が「祝いの詩」として人々をつなぐ可能性への信頼だ。
銀塩プリントを通じて浮かび上がるのは、異なる世代の写真家が共有する「瞬間」への敬意である。展示空間では、写真同士の見えない糸が鑑賞者の感情をも映し出すだろう。ライカ100周年を彩るこの対話は、写真という表現の本質を改めて問い直す機会となるに違いない。
タイトル | In Conversation: A Photographic Dialogue Between Elliott Erwitt and John Sypal |
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場所 | ライカギャラリー表参道(東京都渋谷区神宮前5-16-15 ライカ表参道店2F) |
会期 | 10月8日(水)~25日(土) |
時間 | 11:00~19:00 |
休廊日 | 月曜日 |
料金 | 無料 |
URL | https://leica-camera.com/ja-JP |