シャルロット・デュマの個展「Entendue / The Brush in Your Hand(声が届いて / 絵筆を手にとって)」が、3月7日より小山登美夫ギャラリー京橋で開催される。
デュマ(1977年アムステルダム在住)は、人間との歴史的関係が深い動物──馬や犬──を一貫して対象にしてきた。これまでに銀座メゾンエルメスフォーラムでの「ベゾアール(結石)」展(2020)や沖縄・与那国島の馬を撮影したシリーズ「青(Ao)」の発表など、日本との関わりも深い。
本展の中心となる新シリーズ「Entendue」は、作家自身の父親との記憶と、象という存在をめぐる作品群で構成される。タイトルの「Entendue」は仏語で「聞かれた/理解された」を意味し、象のコミュニケーションが超音波や非言語的であることへの関心から名付けられたという。父がアルツハイマーを患いながらもクリエイティブな表現を続けた軌跡、そして自身が母として娘と向き合う現在が、象との関係を介して重層的に交差する。象のモノクロ写真は、デュマが父の遺したオリンパスPen-Fで撮影したもので、細やかなフィルムの粒子と象の皮膚の質感が触れ合うような視覚体験を生む。また、作品集としても出版される予定だ。
展覧会では、写真作品に加えて、新作映画「The Brush in Your Hand」が初公開上映される。この映画は三世代──作家自身、父、そして最年少の娘──を中心に、記憶と創造性の継承や表現行為の根源が静かに紡がれてゆくポートレート作品で、東京・銀座メゾンエルメスのミニシアター「ル・ステュディオ」でも上映が予定されている。
デュマは、本展を通じて種を超えた共感と聴取の可能性を提示すると同時に、家族という最も親密な関係性を静謐な視覚言語で描く。写真と映像が交錯するこの展覧会は、人間と他者──そして記憶そのもの──をめぐる新たな視座を提示する試みである。
3月14日15時からはアーティストトークを実施。詳しくは展覧会ページにて。
| タイトル | シャルロット・デュマ「声が届いて/絵筆を手にとって」 |
|---|---|
| 場所 | 小山登美夫ギャラリー京橋(東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 3F) |
| 会期 | 3月7日(土)~4月11日(土) |
| 時間 | 11:00~19:00 |
| 休み | 日・月曜日、祝日 |
| 料金 | 無料 |
| URL |
