宮城県塩竈市を舞台にした写真展「塩竈フォトフェスティバル2026」が、3月6日から15日まで開催される。2008年にスタートした同フェスティバルは今回で9回目を迎え、東北最大規模の写真イベントとして、展覧会、ポートフォリオレビュー、写真賞、トークイベントなど多彩なプログラムを市内各所で展開する。
実行委員長は写真家の平間至、アーティスティック・ディレクターはインディペンデントキュレーターの菊田樹子が務める。市内の歴史的建造物や文化施設を会場に、国内外の写真家による展示や写真文化に関するイベントが行われる。
メイン展示は、フィンランドの写真家アンティ・J・レイノネンによる日本初個展「Pyynti/漁」。レイノネンは北フィンランドの港湾都市オウルを拠点に、人間と自然環境の関係を探る写真プロジェクトに取り組んできた作家。本展ではバルト海のボスニア湾で行われる漁業を9年にわたって撮影した代表作を紹介する。
タイトルの「Pyynti」はフィンランド語で「漁」を意味するが、語源には「お願いする」「求める」といったニュアンスが含まれる。フィンランドの漁業文化では、魚を「捕る」のではなく自然に「求める」行為として捉える思想があり、作品は人間と海の共存、そして天然資源の搾取をめぐる問いを投げかける。
会場となる塩竈は古くから港町として栄え、戦後には生マグロの水揚げや水産加工業で知られる漁業都市。東日本大震災から15年を迎えるこの地での展示は、海とともに生きる地域社会の記憶とも重なり、来場者に改めて海との関係を考える契機を提示する。
フェスティバルではこの他、写真家やキュレーターらが参加する東北最大規模のポートフォリオレビューも開催。一次審査を通過した40名が講評者と1対1でレビューを受け、優秀者には写真集制作を副賞とする写真賞が授与される。
また、2024年の写真賞大賞受賞者である髙橋実希の個展「あの庭の花」や、佐藤祐治らによる展覧会「ひそやかな共生」、ニコンフィルム&フォトコンテスト受賞作品展など、多様な展示が市内のギャラリーや文化施設で行われる。
さらに市内カフェで写真集を紹介する企画「珈琲と写真集」や、写真家によるトークイベントなど、地域と写真文化を結びつける試みも展開される。歴史的な町並みを舞台に、写真を媒介とした交流と発見の場が広がる9日間となる。

| タイトル | 塩竈フォトフェスティバル2026 |
|---|---|
| 場所 | 塩竈市杉村惇美術館、ビルドスペース、海商の館 旧亀井邸、ふれあいエスプ塩竈ほか市内各所 |
| 会期 | 3月6日(金)〜15日(日) |
| 休み | 3月9日(月) |
| 料金 | 1000円(MAP付きパスポート)※高校生以下無料 |
| URL | http://sgma.jp |
