22 April 2026

「語られる側」から「語る側」へ——キベラの若者たちの視線

22 April 2026

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撮影:ディジー・ディジー

撮影:サー・ジェリー

撮影:エイトケーティーヴィー・キベラティーヴィー

撮影:ラマダン・サイード・アリ

東京・丸の内のアートセンターBUGにて、展覧会「キベラ“スラム”から見つめる世界 ―語られてきた私から、語る私へ。―」が4月25日から開催される。本展は、アートワーカー向けプログラム「CRAWL」によって選出された企画であり、ケニア・ナイロビのスラム地区キベラに暮らす若者たちの写真と映像を紹介する。

本展の出発点にあるのは、「誰が語るのか」という問いだ。これまでキベラは、外部のメディアや支援の文脈の中で語られる対象であり続けてきた。しかし本展では、その構図を反転させる。現地の若者たちが自らカメラを手にし、日常の風景や労働、喜びや苦しみを記録することで、「語られる存在」から「語る主体」へと移行するプロセスが提示される。

プロジェクトの背景には、寄付によって提供されたカメラと、写真家・映像作家による技術指導がある。こうした環境の中で、参加者たちは単に記録を行うのではなく、自らの経験を表現として構築し始める。短編映像の制作や脚本執筆といった主体的な創作活動は、表現が社会的な発言の手段へと転換していく過程を示している。

会場では100点を超える作品に加え、作家自身による解説映像も展示される。また、来場者がキベラの若者に質問を送り、後日返答を受け取る「対話」の仕組みも導入される。ここでは鑑賞者と被写体の関係は固定されず、イメージを媒介にした往復的なコミュニケーションが生まれる。

重要なのは、本展が単なる社会的ドキュメントにとどまらない点だ。写真や映像は、現実の再現ではなく、「語る力」を獲得していくプロセスそのものを可視化する装置として機能している。スラムという言葉に付随する固定化されたイメージは、内部からの視線によって解体され、再編されてる。

タイトル

キベラ“スラム”から見つめる世界 ―語られてきた私から、語る私へ。―

場所

アートセンターBUG(東京都千代田区丸の内1-9-2)

会期

4月25日(土)~5月31日(日)

時間

12:00~19:00(最終日17:00まで)

休み

火曜日(5月5日は開館)

料金

無料

URL

https://bug.art/exhibition/crawl-sakata/ 

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