東京・代官山のLAID BUGにて、鹿児島を拠点に活動する写真家・有村勇史の個展「HALATION」が6月12日から開催される。
有村はフィルムカメラを用いた継続的なフィールドワークを通じて、風景や動植物、忘れられた建築物などを撮影してきた。静かに波立つ海や深い森の風景を捉えた作品は、単なる記録写真にとどまらず、そこに漂う空気や気配までも写し取ろうとする試みとして展開されている。
本展のタイトルである「HALATION(ハレーション)」は、写真において強い光によって像がにじみ、輪郭が曖昧になる現象を指す。有村はこの現象を単なる技術的効果としてではなく、私たちの認識そのものを問い直すための契機として捉えている。
展示作品には、海や滝、森といった自然風景が多く登場する。だがその視線は風景そのものではなく、異なるもの同士が接触する「境界」に向けられている。内と外、光と影、近景と遠景、生と死、現在と記憶。そうした相反する要素が交わる瞬間を捉えることで、有村は世界を固定的なものではなく、絶えず揺らぎ続けるものとして提示する。
今回公開された作品イメージにも、その関心が色濃く表れている。割れた窓越しに夕暮れの海を見つめる写真では、ガラスの亀裂が風景と鑑賞者のあいだに介在し、現実と記憶の境界を曖昧にする。また、鮮烈な赤い光の軌跡が海景を横切る作品や、柔らかな光に包まれた滝のイメージでは、被写体の輪郭が溶け出し、見る者の知覚そのものが揺さぶられる。
| タイトル | Paraiso |
|---|---|
| 場所 | LAID BUG(東京都渋谷区代官山町2-3 B1F) |
| 会期 | 6月12日(金)〜27日(土) |
| 時間 | 13:00~20:00 |
| 休み | 日・月曜日 |
| 料金 | 無料 |
| URL | https://laidbug.com/ |
