05 July 2026

大野真人が生命の「消失」を写す、個展「Karyolysis」を初台で開催

05 July 2026

AREA

東京

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ATELIER_Makoto Oono_Karyolysis

東京・初台の古書店ATELIERで、写真家・大野真人の個展「Karyolysis」が開催中だ。4月に刊行された同名写真集を起点に、未発表作品を含むシリーズを展示し、一冊の写真集から現在進行中の制作へと視野を広げる展覧会となる。会期は7月3日〜6日、10日〜13日の計8日間。

1979年千葉県生まれの大野真人は、アジア各地で出会った生物を継続的に撮影し、人間と他の種との関係性をテーマに作品を制作してきた写真家。インターネット上で売買される生物を被写体とした『SEPALATE HIDDEN RULES』で2016年のJAPAN PHOTO AWARDを受賞したほか、近年はPhMuseum Photography Grant、LensCulture Emerging Talent Awards、Getxo Photo Open Call、PhEST Leica Prizeなど海外の写真賞でも高い評価を受けている。

展覧会タイトルの「Karyolysis」は、生物学で「核融解」を意味する言葉だ。細胞核が崩壊し、やがて不可視へと消えていく現象を指すこの用語を手がかりに、大野は生命を「可視」と「不可視」のあいだを移行する存在として捉える。作品は生命の終焉を描くのではなく、消失へ向かう時間そのものに視線を向けている。

写真集『Karyolysis』は、生き物を一時的に像として固定する写真の性質と、生命が本質的に流動し、やがて消えていくという現実との緊張関係をテーマとしている。大野は、写真とは「消えゆく存在を一時的に像として固定し、沈黙に意味と秩序を与えるもの」と位置づけ、生命体を収集する行為に潜む時間構造を探究している。

本展は写真集の内容を展示へ置き換えるだけではない。写真集に収録されたイメージに加え、未発表作品を含む新たな作品群を紹介することで、一冊の本から現在進行形のプロジェクトへと接続する入口として構成される。会場では作品販売に加え、SOLITAIREから刊行された『Karyolysis』と、新作となる420ページの写真集『Cell metamorphose』が会場限定で先行販売される予定だ。

写真集の造本にも、本作のテーマが反映されている。封筒に収められた仕様は、イメージを保護すると同時に隠す「沈黙の層」を意味し、読者は封を開くことで初めて像と出会う。本文はハトメ綴じによる簡素な構造を採用し、固定されながらも未完成な状態を思わせるデザインによって、「像の出現と消失」というテーマを本という物質そのものに組み込んでいる。

タイトル

Makoto Oono「Karyolysis」

場所

ATELIER(東京都渋谷区代々木4-28-8 代々木村田マンション503号室)

会期

2026年7月3日(金)〜6日(月)、7月10日(金)〜13日(月)

時間

13:00〜19:00

休み

無し

料金

無料

URL

https://studio-solitaire.com/ 

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