80年代を代表するSF漫画・アニメ映画『AKIRA』。未だに色褪せることなく、数々のクリエイターにインスピレーションを与えている。アートの世界ではコラージュアーティスト河村康輔による渋谷の『AKIRA』アートウォールが記憶に新しいだろう。
世界のミュージックシーンを牽引する音楽プロデューサー、プレーヤーのファレル・ウィリアムスも『AKIRA』にインスパイアされた1人のようだ。3月末に発表された彼がアンバサダーを務めるシャネルとコラボレーションした「シャネル ファレル カプセル コレクション」のキャンペーンムービーは、『AKIRA』から影響されたと公言している。
ムービーでは自由奔放なユースたちが、カラフル&ストリートなカプセルコレクションをまといバイクで夜のロードトリップを楽しむ。そのシーンはさながら『AKIRA』メインキャラクターである金田正太郎や島鉄雄の一団を彷彿とさせる。
コレクションはファレルの手書きテキスト、ポップになったN°5、Cocoといった文字、スニーカーのグラフィティなどストリートアートの要素が散りばめられたもの。ジャラジャラと重ね付けしたネックレス、ヘルメットも収まってしまうかのようなボリューミーなバッグ、刺繍が施されたフーディなどはカジュアルでありながらモードだ。そこに光るテールランプ、ジャンクなポップコーンやキャンディなど『AKIRA』な世界が呼応する。象徴的に用いられる赤は、鉄雄のマントを思い出す。
ラグジュアリーなストリート&アートなウェアを提案するファレルはこれからの世界を牽引するユースたちを称賛するかのようだ。この常に未来へと挑戦していく精神はそもそもメゾンに根付いているもの。現代女性をコルセットから解放し自由へ導いた創業者ガブリエル・シャネル、そのDNAを受け継ぎ、発展させ、新しいラグジュアリーを常に提案したデザイナー、カール・ラガーフェルド。そう、ファレルの試みは、伝統を常に革新させるシャネルのアティチュードなのだ。
いつの時代も無鉄砲なユースが新時代を切り拓いていく。その革新のスピリットを感じさせる「シャネル ファレル カプセル コレクション」は世界各国の一部限られたシャネル ブティックにて扱われている。実際に触れてシャネルのクリエーティビティに想念を巡らしてみてはいかがだろう。
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。