ディオールのアイコンバッグ・レディ ディオールを現代美術家が各々の視点から再解釈するプロジェクト「レディ ディオール アート」の第4弾が発表された。世界中から11人のアーティストを選出。注目は日本から参加している名和晃平だ。
レディ ディオールは1995年に誕生。シンプルなスクエア型のフォルムにキルティングが施されたエレガントな佇まいで、故ダイアナ元妃が愛用していたことで知られる。名和晃平は、2012年に同じくレディ ディオールを用いたアートプロジェクト「レディ ディオール アズ シーン バイ」にも参加しており、そちらでは彼を代表する「ピクセル」シリーズの手法でカスタマイズし、水滴で造形されたかのようなレディ ディオールを制作した。
今回は名和の近作「バイオマトリックス」(2018年)をモチーフにレディ ディオールをアップデート。「バイオマトリックス」は煮えたぎるマグマを想起させる、動くインスタレーションだ。名和作品のモチーフのひとつであるセル(細胞)状に分断されたシリコンオイルのゲルにポンプから空気を送り、ぶくぶくと泡立つ。その様子は赤い色と相まってマグマのようでもあり、生命の力強さも感じさせる。
レディ ディオールではその泡立つ様子をPVC(塩ビ)で表現。レザーのベースにPVCを重ね、中には赤もしくはシルバーのゲルを詰め「バイオマトリックス」の質感を再現した。まるでガラスのバッグのようにも見える。色は気温や光で変化するという。
ディオールのクラフツマンシップと名和の創造性が融合したアートピースと言えるバッグ。4点のみ制作され、ギンザシックスのハウス オブ ディオール 銀座で販売されている(各税込902,000円)。ディオールとアートの融合を手に取ってみてはいかがだろうか。
▼ディオール
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2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。