洋書のディストリビューションを手掛けるtwelvebooksと設計事務所DAIKEI MILLSの対話により生まれたオルタナティブスペース「SKWAT」が京都に初上陸。「SKWAT HERTZ」を12月28日までオープンしている。
都市の隙間を占拠し、一般へ開放するSKWAT。今回は、京都の中心部にある商業施設COCON KARASUMAの一部を占拠した。今回は聴覚に着目する。
というのも、2階のアトリウムにピアノを設置。アトリウムというストリートを行き交う人たちが自由に演奏できる。しかもその様子は録音されており、音源がエフエム京都(α-station)と共に制作するラジオプログラム「SKWAT HERTZ」に展開される。この番組は2021年12月28日までの毎週火曜23時から30分間放送。アトリウムに設置されたストリートピアノ、そこで収録された様々な「音」が作り出す実験的なプログラムだ。
空間は、据えられたベンチも吸音材を用いたデザインで、音楽を感じさせ、かつ機能的。時折、アーティストがゲリラ演奏するので、逐次チェックしたい。
もちろん視覚も用意している。3階の京都経済倶楽部跡には、twelvebooksがアートブックサロンを設けた。同跡は、元京都の財界人が集う会員制クラブ。そこをアートに一新した。コンテンツは二つ。twelvebooks が持つダメージ本などの、流通に乗らなくなったアートブックを一律1000 円で提供する「thousandbooks」、そしてドイツの現代美術家・彫刻家・教育者・音楽家・社会活動家として多角的な発信を行った「Joseph Beuys」の貴重なアーカイブ資料の展示販売をする「Beuys Room」だ。京都の経済人の声が飛び交っていた歴史と趣を感じさせる重厚な跡地の設えの中からアートを発信する試みだ。
12月のクリスマスシーズン、SKWAT HERTZに音楽とアートを探しに行ってみてはいかがだろうか。thousandbooksに掘り出し物が眠っているかもしれない。
タイトル | 「SKWAT HERTZ」 |
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会期 | 2021年10月5日(日)~12月28日(火) |
会場 | COCON KARASUMA(京都府) |
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