国際的写真家集団「マグナム・フォト」正会員であり、ペルー生まれのフォトグラファー、モイセス・サマンの作品集。
大規模反政府デモ「アラブの春」が起きていた期間を含む2011年から2014年の間にフォトジャーナリストとして中東のチュニジア、エジプト、リビア、イラク、レバノン、シリアに滞在。4年もの期間を費やして自身の「記憶」を撮影したものを収録した、回顧録的ドキュメンタリー作品集。タイトルの「DISCORDIA」はローマ神話における不和と争いの女神の名称である。
長く膨大で複雑な写真のシークエンスを編み上げながら、そこにタイトルや解説を添えないスタイルを一貫し、単純明快でもなければ求められたような答えとも違う「アラブの春」を表現した。中には、滞在中に幾度となく作者が見た人間の身振りや仕草の繰り返しをソースとして切り出した写真を用いたコラージュ作品(オランダ系イラン人アーティスト、ダリア・ビラン作)も収録されている。
本書は、報道写真やドキュメンタリー写真のプリントを所蔵するプライベート・コレクション機関「INCITE PROJECT」、「ソロモン・R・グッゲンハイム財団」、「ユージン・スミス・メモリアル基金」、「マグナム・コレクターズ・サークル」の多大なサポートにより実現したプロジェクトであり、2016年には自費出版写真集を対象とした写真集アワード「Anamorphosis Prize」を受賞している。
タイトル | 『DISCORDIA』 |
---|---|
出版社 | 私家版 |
価格 | 14,000円+tax |
発行年 | 2016年 |
仕様 | ハードカバー/240mm×320mm/200ページ |
URL | https://twelve-books.com/products/discordia-by-moises-saman-signed |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。