07 November 2017

ヒンドゥー教の聖典を現代的に再話するシリーズの第3巻、ヴァサンタ・ヨガナンタン『EXILE』

マグナムフォトが選ぶアンダー30の注目写真家による長期プロジェクト。

07 November 2017

Share

EXILE

マグナム主催の30歳以下の写真家30選「30 UNDER 30」に選ばれたフランス人フォトグラファーであり、出版社Chose Communeの共同設立者でもある、ヴァサンタ・ヨガナンタンの作品集が同社から発売された。

本書は、紀元前300年頃にサンスクリットの詩人ヴァールミーキによって記録された全7章からなるヒンドゥー教の聖典であり古代インドの大長編叙事詩「ラーマヤナ」を現代的に再話、各章ごとに一冊ずつ写真集化する長期プロジェクト「A Myth of Two Souls」の第3章として制作されたもの。

ヨガナンタンは、2013年よりインドを北から南へと旅をしながら「ラーマヤナ」の道筋を辿り、現地の人々と生活を共にする中で見られる「ラーマヤナ」の影響をインスピレーションに撮影を敢行。鮮やかな色に仕上げた写真、ハンドペインティングやイラストレーションを描き加えた写真に、土地固有のイメージを織り交ぜそれぞれ点在させることで、時代を超えたこのストーリーの層を成す一冊を巧みに編み込む。こういった演出により敢えてフィクションと現実との境界線を曖昧にした作品に仕上げている。

前作にあたる第2章「THE PROMISE」のエンディングでは、主人公であるラーマ王子が王国を追放され、14年間にわたり森での亡命生活を余儀なくされることが示されていた。そして本作「EXILE」では、ラーマ王子と妻シータ、そして彼の弟であるラクシュマナを率いての森での生活を描かれている。「ラーマヤナ」は長い時を経て何度も書き換えられ再解釈され続けており、この作品集自体もインド人作家 Arshia Sattarにより新たに書き直されたものである。

本プロジェクト「A Myth of Two Souls」は2016年から2019年の間に制作され、最終的に7冊が刊行予定だ。

タイトル

『EXILE』

出版社

Chose Commune

価格

7,800円+tax

発行年

2017年

仕様

ソフトカバー/245mm×300mm/192ページ

URL

https://twelve-books.com/collections/all/products/exile-by-vasantha-yogananthan-signed

2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。

Share

Share

SNS