2012年4月より制作が始まった本作『DOMESTICATED LAND』は、『GRAPEVINE』(1988~1992)、『TRIP』(1993~1999)に続く3部作の完結編。
本作の舞台は、カリフォルニア砂漠のどこかに存在する場所。人類史の外側で起きた出来事による遺跡、象徴、足跡がその風景によって不気味なほど静かに提示され、書物の著者や主人公によって物語調に散りばめられ構成された、歴史上もしくは現代に存在する女性たちの言葉を表している。ポツンと写るヘビ、荒れ果てた住居、映画で使われたようなセットの残骸、倒れた女性の頭部、軍事基地、有刺鉄線など、写り込んだこの事実がフィクションを作り、そして人を狼狽させるほどの力を持つ、いまのアメリカの国家的な警告を醸し出している。
約30年にわたり繰り広げられた謎めいた3つの旅は、“本当のアメリカ”と、“男性優位の地域における私的かつ女性的な観点”というふたつのテーマ、そして使い古された形式の物語から生まれる新たなフィクションのような要素を主軸に作られている。
凝り固まったドキュメンタリーの様式に逆らいながら押し引きを繰り返し生まれた本作は、救いうる未来を探し求めた末に見出した最後の砦として存在する。
タイトル | 『DOMESTICATED LAND』 |
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出版社 | |
価格 | 6,750円+tax |
発行年 | 2018年 |
仕様 | ハードカバー/241mm×271mm/96ページ |
URL | https://ja.twelve-books.com/products/domesticated-land-by-susan-lipper |
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