アメリカ人フォトグラファー、ジョン・レアーの作品集『THE ISLAND POSITION』がMACKより刊行された。
本書タイトル“Island Position”は広告用語であり、“論説や本文などによって完全に囲まれ競合する広告が隣に配置されていない”という希少な広告掲載場所・配置を指す。レアーはこの作品を通じて、Eコマース台頭のあおりを受けて苦心するアメリカの個人商店の“表面”に光を当てた。
どうにかして存在意義を維持しようとする個人店のオーナーたちは、人目を惹けばどうでも良いといわんばかりにショーウィンドウや壁を飾り立てる。私たちが新しい経済を享受する中で、今後取り残されていく人々の願いと不安がこうした行動から明快に理解できる。
各ポップには、買ってほしいというアピール以上に脆弱さ、創意工夫、苦悩、そして希望といった感情を文字で表現したもの、購買者に対する呼びかけという形をとった資本主義の言語そのものがある。このシリーズでレアーが注目したのは、そこで何が売られているかではなく、どんな思いが込められているかということであった。
タイトル | 『THE ISLAND POSITION』 |
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出版社 | |
価格 | 6,400円+tax |
出版年 | 2019年 |
仕様 | ソフトカバー/220mm×290mm/112ページ |
URL | https://ja.twelve-books.com/collections/all/products/the-island-position-by-john-lehr |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。