アメリカ人フォトグラファー、アーロン・シューマンの作品集『SLANT』がMACKから刊行された。
ニューイングランド地方の小さな街、マサチューセッツ州アムハーストで地元紙を開いてみれば「捜査報告」のコーナーが目に入ってくるだろう。本書は2014年から2018年の間に出た捜査報告の切り抜きと、2016年から2018年にかけてアムハーストより30マイル以内で撮影した静かな皮肉を湛えた写真を取り混ぜて制作された。
シューマンが幼少期を過ごしたいくつかの小さな町を心から懐かしみつつ、ユーモアを込めて表現しようとしたところから始まった本作だが、2016年の選挙に続いてアメリカを襲った“フェイクニュース”や“もう一つの事実”、“ポスト真実の政治”とパラノイアを背景に、シューマンの撮るイメージにも時代の不安な空気が立ち込めていった。
現代アメリカの風景と体験、精神を一皮むくと、何か奇妙で非現実的で不協和でそしてますます不穏な気配が渦巻いている。そんな側面に対し、詩の手法をアプロプリエーションとして写真に取り入れた本書は、より広い観点から考察されている。
タイトル | 『SLANT』 |
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出版社 | |
価格 | 6,400円+tax |
出版年 | 2019年 |
仕様 | ハードカバー/260mm×220mm/88ページ |
URL | https://ja.twelve-books.com/collections/all/products/slant-by-aaron-schuman |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。