イギリス人アーティスト、リサ・バーナードの作品集『THE CANARY AND THE HAMMER』には、4年の月日を費やして4つの大陸で撮影された写真が収められ、人間が抱く金(Gold)に対する畏敬の念と、無慈悲なまでに進歩を追求してきた人類の歴史の中で金が果たしてきた役割が詳細に描かれている。
2008年の金融恐慌は、グローバル化が進む世界において西欧諸国がいかに貪欲に富の集積を追求し続けているかをまざまざと見せつけた。それに刺激を受けたバーナードは、ハイテク産業が生み出す巨額の資金が目には見えない新しいかたちで存在する現代においても、依然として金が保持している経済のバロメーターとしての位置づけに写真を使って疑問を投げかけることによって、自らの選んだその表現媒体が、抽象的な出来事や概念に対してどのような回答を導き出すことができるのかという問題を提起した。その結果として誕生したこの野心的なプロジェクトは、細分化が進み、さまざまな問題が山積みになっているこの時代に本質的な表現をすることの複雑さに向き合った、プライベートな旅のスケッチともなっている。
タイトル | 『THE CANARY AND THE HAMMER』 |
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出版社 | |
出版年 | 2019年 |
価格 | 7,700円+tax |
仕様 | ハードカバー/200mm×290mm/200ページ |
URL | https://twelve-books.com/products/the-canary-and-the-hammer-by-lisa-barnard |
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