ユースカルチャー等を70年代から先駆的に取り上げ撮影したことで知られるスイス人写真家、ヴァルター・ファイファーの作品集『Bildrausch. Drawings 1966-2018』。ファイファーの作品は写真にばかり注目が集まりがちだが、そのキャリアは製図職やグラフィックデザイナー、ペインターとしてスタートしており、グラフィックと写真という異なる分野にまたがって常に新しいものを生み出している。本書はそのうちのグラフィック作品がまとめられた1冊。
1970年代初めにはハイパーリアリスティックなドローイングの大作が幾つも描かれた(それらは後の写真作品のもとにもなっている)。この作風は作品制作とコミッションワーク双方で用いられ、チューリッヒのすぐれた旧作映画を上映する映画館「Filmpodium」のために作った伝説的なポスターの数々や雑誌のイラスト、ポートレイトなど多くの作品が生み出された。1980年代頃から絵画に深く傾倒したファイファーは、1990年代に入ると墨汁や色鉛筆、水彩などを使ったドローイングに専念し、写真から完全に離れていく。本書に収められたイメージは、官能的で生命力に溢れ、意識的に描かれた線やそぎ落とされたデザインと豊かな装飾性が交互に現れる点が特徴的である。
タイトル | 『Bildrausch. Drawings 1966-2018』 |
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出版社 | |
出版年 | 2019年 |
価格 | 8,800円+tax |
仕様 | ハードカバー/27mm×320mm/492ページ |
URL | https://ja.twelve-books.com/products/bildrausch-drawings-1966-2018-by-walter-pfeiffer |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。