十文字美信が写真家になる以前、1960年代末から70年代初頭にかけて撮影された初めての作品『藤崎』が、スーパーラボの新レーベル、SUPER LABO++の第2弾写真集として刊行された。
被写体の藤崎と十文字は高校時代に出会った。意気投合して連日のように待ち合わせ、ジャズ喫茶に通い、映画を見、ビートニックに感化され、ウィスキーを飲んだ。人と違うことをしたいけれど、どこへ向かったらいいかわからない、けれど確証のない自信とうぬぼれだけがあった時代。偶然に写真家を志した二十歳のとき、藤崎の姿を写真に残そうとした、と十文字は語る。
50ccのトーハツランペットをチョッパーに改造して、当時「夢の島」と呼ばれた東京湾の埋立地へ向かった。長い直線道路を二人で狂ったように走り回り、最後はバイクを壊してガソリンタンクに火を点けた。藤崎の滅茶苦茶な笑顔は私自身の興奮の証に思えた。ファインダーの中から聞こえる彼の声は私の叫びであり、藤崎を撮りながら自分自身を見つめている気がしていたのだ。-プレスリリースより
タイトル | 『藤崎』 |
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出版社 | |
出版年 | 2020年 |
価格 | 7,200円+tax |
仕様 | ソフトカバー/210mm×280mm/72ページ |
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