早いもので、2020年も残りわずか。今年はいつもと違うホリデーシーズンがやってくる。誰かと会うことが困難ないまだからこそ、家族や大切な人、あるいはお世話になった人には、心を込めたプレゼントを贈りたいもの。写真集はお気に入りの世界やメッセージを共有するにはぴったりのアイテム。ギフトにぴったりな写真集をIMA編集部が近刊からセレクト。
前編は友人に贈りたい、写真集で想像の旅に出るための7冊を紹介。
1. グイド・グイディ『Tra l'altro, 1976-81』
イタリアの静謐な風景にゆったりと浸る
ヨーロッパ、特にイタリアの郊外風景を傍観的な視点からとらえ続けてきたグイド・グイディ。彼の未発表作品が収録された本作は、そよ風や優しい日差し、夜のひんやりとした空気が写真から感じられる。写し出された物静かなイタリアの風景の中からは、ゆっくりとした時間が流れ、いつの間にかこの淡い色の世界に引き込まれる。目まぐるしい都市の生活のなかで、異国の空気を味わいながら一息つくにはぴったりの一冊。
タイトル | Guido Guidi『Tra l’altro, 1976-81』 |
---|---|
出版社 | MACK |
価格 | 6,600円+tax |
発行年 | 2020年 |
仕様 | ハードカバー/ 220 x 270 mm / 128ページ |
URL |
2. マーク・シュタインメッツ『South Central』
アメリカの光と影に思いを馳せる
アメリカの日常と市井の人々を撮った写真は散々見てきたけれども、それでもやはり魅力的なのはこの写真家の力でもあるし、アメリカという国の持つ独特の光と影のせいかもしれない。そのことは大統領選があった今年、リアルに私たちにも迫ってきたが、この写真集で選挙の熱狂と興奮の後ろにある、この大国の現実をもう一度考えてみたい。
タイトル | Mark Steinmetz『South Central』 |
---|---|
出版社 | NAZRAELI PRESS |
価格 | 7,800円+tax |
発行年 | 2020年 |
仕様 | ハードカバー/ 270 x 305 mm / 72ページ |
URL |
3. スティーブン・ギル『The Pillar』
野生の鳥たちの世界をこっそり覗いてみよう
一本の柱に設置されたモーションカメラで、定点観測によって撮影したシリーズ。そこには、普段見ることのできない鳥たちの姿がとらえられていた。たくましいワシ、一息ついている小鳥、飛び立つ瞬間の美しい羽など、草原の中に立つ一本の柱を中心に広がる、自然の世界に心躍る。
タイトル | Stephen Gill『The Pillar』 |
---|---|
出版社 | Nobody books |
価格 | 58 £ |
発行年 | 2019年 |
仕様 | ハードカバー/ 270 x 216 mm / 224ページ |
URL |
4. リカルド・カセス『Estudio elemental del Levante』
スペインの光、土地、そして文化に再び出会う
強い日差しが写すのはカラフルな人、レヴァンテ地方の街並みなど、見覚えのあるスペインの姿が垣間見える。同時に私たちがまだ知らない、しっかり根付いている土着文化も見て取れる。切り取られたページが作り出すイメージに隠れた新たなイメージ。また、旅に出られる日を焦がれる誰かに送りたい一冊。
タイトル | Ricardo Cases『Estudio elemental del Levante』 |
---|---|
出版社 | Dalpine / The Ice Plant / torch press |
価格 | 3,500円+tax |
発行年 | 2020年 |
仕様 | ハードカバー/ 237 x 160 mm / 64ページ / *部分的にイメージを切り抜いている箇所があります。 |
URL |
5. ドロシア・ラング、サム・コンティス『Day Sleeper』
かつて起こった大恐慌を、いまを生きる糧にしよう
1920年代の大恐慌のあの有名な写真を撮影したドロテア・ラングの写真集を、コロナで大不況を迎えるであろうこの時代に見ることは、何かの示唆があるのではないだろうか。「この試練を乗り越えよう」というメッセージを込めて、頑張っているお互いを鼓舞する意味で共有できたら。
タイトル | Dorothea Lange, Sam Contis『Day Sleeper』 |
---|---|
出版社 | MACK |
価格 | 5,500円+tax |
発行年 | 2020年 |
仕様 | ソフトカバー/ 170 x 240 mm / 152ページ |
URL |
6. 木村 和平『袖幕』
時間を超えたノスタルジックな世界の扉を開く
実家で偶然見つけた一枚の古い写真を眺めているうちに、幼い頃の姉とバレエに関するさまざまな記憶が蘇ってきたという木村和平による一冊。子どもの頃にバレリーナに憧れたりと、バレエはどこか懐かしい匂いがする。舞台に光が降り注ぎ、まるで夢の中のような景色が広がる、ノスタルジックでありながらも瑞々さに満ちている。
タイトル | 木村 和平『袖幕』 |
---|---|
出版社 | aptp |
価格 | 4,500円+tax |
発行年 | 2018年 |
仕様 | ハードカバー/ 243mm × 188mm / 80ページ |
URL |
7. デヴィッド・ブランドン・ギーティング『Neighborhood Stroll』
めくるめくビジュアルトリップを楽しむ
ポップな表紙に始まり全ページを通して色鮮やかな写真が綴られた本書は、見ているだけで心が明るくなる一冊。デーヴィッド・ブランドン・ギーティングが、約3年間にわたり自身が拠点とするニューヨークのグリーンポイント地区を散歩しながらスナップし、Instagramにアップしていた写真を本にまとめたもの。見慣れた近所の景色もギーティングの視点で切り取れば、新鮮なイメージに見えてくる。散歩好きな誰かに、もしくはインドアで脳内のビジュアルトリップを楽しみたい人にギフトしてみるのもいいかも。
タイトル | David Brandon Geeting『Neighborhood Stroll』 |
---|---|
出版社: | Skinnerboox / SAME PAPER |
価格 | 6,100円+tax |
発行年 | 2019年 |
仕様 | ハードカバー/ 229 x 305 mm / 300ページ / 限定1000部、ポスターが表紙の一部として付属 |
URL |
>後編はこちら
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。