本書『La Grande Sortie』は、2015年にパリ・オペラ座バレエ団からの依頼で制作された映像作品『La Grande Sortie』の制作時に撮影された写真作品をもとに、ニューヨークのギャラリー「Lehmann Maupin」で開催された展覧会に併せて出版された作品集。
映像作品『La Grande Sortie』は、フランス人エトワール(バレエ団ダンサーの最高位)エミリー・コゼットが演じるプリマバレリーナの物語で、原因不明の挫折からカムバックしたダンサーの、舞台に対する恐怖心とオーディエンスの中でエスカレートする無関心や敵対心が表現されている。
過去の作品でアレックスは、映画的なシーンを演出し作り出す中で、群衆と個人の間に垣間見える不安や孤独など深い精神的な部分に触れてきた。しかし本作では、舞台上のパフォーマーとオーディエンスのふたつの視点と、この両者間に内在する緊張した関係性で精神面の揺らぎを提示している。この“ふたつの視点の移り変わり”、舞台上の“フィクションとリアリティの二元性”、そしてその両者の間を行き来しながら、この境界を作り出す舞台とオーディエンスとの間にある目に見えない“第4の壁”を壊し、視覚的な芸術における作り物(フェイク)とリアルの概念をいかにして人間が受け入れるかを考えさせる作品となっている。
タイトル | 『La Grande Sortie』 |
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出版社 | 私家版 |
価格 | 6,000円+tax |
発行年 | 2016年 |
仕様 | ハードカバー/298mm×238mm/48ページ |
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