ファッションデザイナーの田中了が写真家として帰ってきた。2000年代、SATORUTANAKAを立ち上げ、東京のファッションシーンを牽引した田中了。2009年より発表の場をニューヨークに移すなど精力的に活動。最近まで世界27カ国を巡っていた。そして東京に戻った現在、写真家として活動する。
これまでも自分のブランドのルックは自ら撮影し、黒を基調にシャープなイメージを見せて来た田中了。SATORUTANAKAの構築的かつ少し少年の尖りが香ったノワールの世界はいま思い出しても廃れない。モデルRuka Xingを撮った写真もその残り香が立ち上るモノクロームの世界だ。ソフトフォーカスの少し柔らかいトーンでポートレイトを撮り溜めているという。
彼の美学は「微と美」。繊細でシャープなクリエイティヴィティが今後どんな作品を撮るのか注目だ。