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国内外の写真集マーケットに、数多くのファンをもつ造本家・町口覚。独特の思想とスタイルから繰り出されるブックデザインはどのようになされてきたのか。その誕生秘話を町口本人が語るインタヴュー動画シリーズ「挑発する造本家・町口覚の独白」の第一弾・蜷川実花の後編。2021年の夏、オリンピックバラリンピックを間近に控えた青山の仕事場で、蜷川作品との過去10年余りを振り返ってもらった。
現在、上野の森美術館で開催中の「蜷川実花展 ―虚構と現実の間に―MIKA NINAGAWA -INTO FICTION/REALITY」と合わせて観ると、より一層感慨深い。
町口覚|Satoshi Machiguchi
グラフィックデザイナー、パブリッシャー。1971年東京都生まれ。「マッチアンドカンパニー」主宰。森山大道、蜷川実花、大森克己、佐内正史、野村佐紀子、荒木経惟など日本を代表する写真家の写真集をはじめ、映画・演劇・展覧会のグラフィックデザイン、文芸作品の装丁などを幅広く手掛ける。2005年、自ら写真集を出版するためレーベル「M」を立ち上げ、2008年より世界最大の写真の祭典「PARIS PHOTO」に出展、世界を視野に“日本の写真集の可能性”を追究している。2009年、2015年に造本装幀コンクール経済産業大臣賞、2014年に東京TDC賞などを国内外で受賞多数。
蜷川実花|Mika Ninagawa
写真家・映画監督。木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。映画『さくらん』(2007)、『ヘルタースケルター』(2012)監督。映像作品も多く手がける。2008年、「蜷川実花展」が全国の美術館を巡回。2010年、Rizzoli N.Y.から写真集を出版、世界各国で話題に。2016年、台湾の現代美術館(MOCA Taipei)にて大規模な個展を開催し、同館の動員記録を大きく更新した。