⼤⻄茂の海外で初となる大規模個展「The Possibility of Existence」が2022年1月9日(日)までオランダ・Foam写真美術館にて開催中。
数学研究者でありながら、実験的な写真作品を残した⼤⻄茂。本展は、⼤⻄の写真作品がまとまって海外で展⽰される初めての機会であり、写真史における大西の位置づけを再検証する展覧会である。1950年代の発表当時には注⽬されながら、その後検証がなされず膨⼤な歴史の影に潜んでしまった写真作品50点以上と数点の水墨画が展⽰される。なお、2022年にスペイン・Bombas Gensへ巡回予定。
⼤⻄は位相数学を研究するため北海道⼤学へ⼊学。1953年に卒業した後も同⼤学に残り研究を続け、その間、同時代の⽇本写真界の動向や他作家とはかけ離れた独⾃の表現⽅法で制作を行い、⾃⾝の数学理論を芸術作品として体現した写真を制作した。難解な数学理論に基づき、写真の中で時間と空間を超越することを試みていた大西は、スナップショットや多重撮影、多重焼付け、その他特殊なプリント方法で図像を浮かび上がらせるなど、特異な暗室作業も行いながら、意図した以上の偶然性による効果をねらった極めて実験的な制作方法を用いて制作を行っていた。その後は写真から離れ、抽象的な水墨画の制作に専念している。
また、本展に合わせて⼤⻄茂の初写真集『A Metamathematical Proposition』がSteidlより刊⾏された。
タイトル | 「The Possibility of Existence」 |
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会期 | 2021年9月17日(金)~2022年1月9日(日) |
会場 | フォーム写真美術館(オランダ) |
URL | https://www.foam.org/museum/programme/shigeru-onishi-the-possibility-of-existence |