22 July 2022

IMA next #034 審査員 鈴木理策
テーマ「Photography and Painting」にまつわるQ&A

22 July 2022

Share

IMA next #034 審査員 鈴木理策 テーマ「Photography and Painting」にまつわるQ&A | 鈴木理策

毎月IMAが開催するオンライン写真コンテスト「IMA next」では、毎回異なるテーマを掲げ、写真家やキュレーター、編集者などがゲスト審査員となり優れた作品を選出する。7月25日まで応募受付中のコンテストのテーマは「Photography and Painting」。 写真と絵画の関係性を探求し続ける鈴木理策に、今回のテーマや自身の活動について質問してみた。

《水鏡17,WM-753》(2017) ©︎ Suzuki Risaku

《水鏡17,WM-753》(2017) ©︎ Suzuki Risaku

Q.テーマ「Photography and Painting」に込めた思いとは?

A.19世紀に写真が登場したことで、絵画が写真から受けた影響と、写真が絵画から受け続けている影響を改めて考える機会にしたいと思います。

Q.先頃、京橋のアーティゾン美術館で「写真と絵画―セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」展が開催されました。「写真と絵画」への探求を展覧会というカタチで向き合ったことで、写真と絵画の関係性における新たな発見はありましたか?

A.写真と絵画それぞれのメディア本来の表現性を再認識したとともに、絵画の中に写真性、写真の中に絵画性があることを確信しました。

Q.2019年にも「Voice of Nature」というテーマで「IMA next」の審査をしてくださいました。今回は、約3年ぶりの審査となりますが、 どういった作品を期待されていますか?

A.前回は「IMA next」の第一回ということもあり、モニター上で見ることを意識しました。プリントした場合のクオリティを想像するのは危険な気がしたからです。結果として、複数の写真によるシークエンス展開がうまく行っているものを選びました。
今回は絵画というキーワードをどのように解釈しているかが気になります。写真で絵画的な表現をするのか、絵画表現について考えながら写真にしか出来ないことを目指すのか。写真に撮ってしまえば全ては写真なので、極端なことを言えば、画家が自分の絵を撮影した写真を送ってもらっても構わないのかも。絵画と写真の違いを意識したものを期待します。

Q.大学でも教鞭を執ってらっしゃいますし、若い世代に写真を教える機会が多いと思います。次世代に向けて特に伝えたいことなどありましたら、教えていただけないでしょうか?

A.カメラの機能が向上し、撮影で失敗することは減りましたが、自分が撮った写真に対する執着も無くなっているように感じます。写ることが当たり前すぎて、自分が何をしたいのかが分からなくなってしまっているような。最終的な形式(プリントするのか、モニターで見るのか、本の姿を目指すのか)を決めて撮影することは大事だと思います。

Q.今後の予定を教えてください。

A.パリ・フォトでChristophe Guye Galerie(チューリッヒ)のブースで展示を予定しています。 現在使っているものよりも、さらに古いレンズを使いたいので、色々試しています。


写真の発明時から、写真と絵画は互いに相関し合ってきました。現在、アーティゾン美術館で絵画と写真をテーマとした展覧会を開催中の鈴木理策が審査員を務める本回のテーマは、「写真と絵画(Photography and Painting 」。絵画からインスピレーションを得た写真、絵画的な写真、あるいは絵画を施した写真など、さまざまな視点からアプローチすることができるでしょう。改めて写真と絵画の関係性を考えながら、イメージを自由に作り出してみてください。

鈴木理策が審査する、IMA next 第34回「Photography and Painting」へのご応募お待ちしています!

タイトル

「IMA next」THEME #34 “Photography and Painting”

応募期間

2022年05月30日(月)〜2022年07月25日(月)

応募料金

2,000円/1エントリー

URL

https://ima-next.jp/entry/photography-and-painting/

鈴木理策 (写真家)
1963年和歌山県新宮市生まれ。東京綜合写真専門学校研究科卒業。2000年に写真集『PILES OF TIME』で第25回木村伊兵衛写真賞受賞。地理的移動と時間的推移の可視化を主題にシークエンスで構成した第一写真集『KUMANO』を1998年に刊行。一貫して「見ること」への問題意識に基づき、熊野、サント=ヴィクトワール山、桜、雪、花、ポートレート、水面等のテーマで撮影を続け、展覧会や写真集により作品発表を重ねている。
http://www.risakusuzuki.com/

Share

Share

SNS