Yusuke Yamatani
注目作家の作品を毎日配信!第123弾は山谷佑介
「ONSEN I」
野湯(のゆ、やとう)と呼ばれる自然の中に自噴する整備されていない温泉巡りは、山谷がカメラを手にして間もない15年ほど前から始まった。湯や水辺の場を中心にした人々のコミュニケーションは『日本書紀』や『万葉集』にも記述されており、山谷も温泉での撮影を続けていくうちに、原始の時代に耳を傾け、空間を超えて異なる惑星へと思いを馳せるようになっていったという。この一連の実践は、時間を超えて変わらずに存在する自然や人間の姿を記録する撮影行為だけにとどまらず、ありのままの風景に身体を介在させて、人間と世界そのものをとらえ直そうとする試みである。本プロジェクトは、友人や家族やSNSやZINEで募った希望者と共に現在も続けられている。