倉谷卓個展「Your Camera is My Camera」
新作2シリーズを前後期にわたり展示

倉谷卓は1984年、山形県生まれ。塩竈フォトフェスティバルでのグランプリ受賞や、TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARDでの審査員賞受賞など、現在注目されている気鋭の若手作家。

本展「Your Camera is My Camera」で展示されるふたつの新作は、どちらも携帯電話に備わったカメラ機能によって撮られた写真をベースに、自らが撮影者ではない写真を扱うその手つきは、ユーモアでありながらも鋭い批判性を含んでいる。

どちらの作品も現代において身近な存在である携帯電話（スマートフォン）やアプリケーション、SNSというツールを用い、私たちにとって最も見慣れた（と思いこんでいる）自身の姿を被写体としている。しかしその表現は、日常における私たちの写真への関わりの中に隠された、ある種の暴力性を浮かび上がらせるものでもあり、そこにはごく身近であるが故に意識し難くも、私たちの現在の生に繋がる多くの問いを見出すことが可能だろう。

本展は前・後期と展示替えを行い、前期には「（Self）Portraits」、7月6日（木）からの後期は「雪の白さに目が眩んで」が展示される。