石川県・金沢市の秋霖館(しゅうりんかん)で、ヨヘン・レンペルトの写真展が開催中だ。
日本語の「葉影(Hakage)」という語は、文字どおりには「葉の影」を意味するが、この二つの漢字(葉影)の組み合わせは、それをはるかに超えた豊かな詩的領域の広がりをもたらす。それは、光の中に浮かび上がる葉の輪郭のみならず、葉叢の下で移ろう影と明るさの交錯、木々がつくる隠れ家、昆虫たちが潜む隠れた空間をも想起させる。
生物学を学んだレンペルトは1990年代初頭から写真家としての活動を始めた。白黒のアナログ写真作品を特徴とし、写真を額装せず、壁に直接貼付し、イメージを緻密に組み合わせた展示を行う。写真というメディアを用い、レンペルトは自然界を探索する――それが田舎であれ都市であれ、人里離れた場所であれ、科学博物館であれ――自然の存在、特異性、そして儚さの証言者であろうとする。彼が焦点を当てているのは、束の間の、ほとんど目にも見えない、抽象的ですらあるような現象、人間と環境の間に人知れず存在する交流や交感、そして究極的には知りえることのできない、動物たちの視点なのである。
ヨヘン・レンペルトは、本展と同名の書籍『Hakage』を通じて、この植物と動物の世界に宿る濃密で繊細な生命へと私たちを導く。自身の実践に忠実に、彼は形式的、主題的、概念的な呼応関係の網が次第に立ち現れてくるようなイメージの連なりを構成する。縮尺の様々なバリエーション、写真という媒体の物質性への強調、そして展示空間とイメージの対話における控えめで穏やかなユーモアを通して、彼は表象を超え、自然をより親密で感覚的に捉える経験へと鑑賞者を導くのである。
書籍『Hakage』には、近年にわたりフォトグラムおよびフォリオグラムの技法をめぐって展開されてきた研究の最新の成果が収められている。 80部限定のスペシャルエディションには作家によるナンバリングとサインが付され、『Tanpopo』が添えられる。そこには、等身大のタンポポの列が、レポレロ(折本)形式の構造の中に、まっすぐに立ち上がるのである。
さりげなく、静寂に満ちた、それでいて時としてユーモラスなイメージを通じて、レンペルトは、自然環境と人間の関係を再定義する必要のある現代においてかけがえのない驚きと気づきを、私たちに提示している。
| 展覧会タイトル | 葉影 |
|---|---|
| 場所 | 秋霖館(石川県金沢市 池田町4-33 2F) |
| 会期 | 4月11日(土)~9月13日(日) |
| 時間 | アポイント制 |
| 料金 | 無料 |
| URL | https://keijiban.online/jp/jochen-lempert |
