この冬の写真展巡りでオススメしたいのが、気鋭の写真家たちのユニークな個展。3つの展示と新スペースの最新情報を、IMA編集部がピックアップ。これが写真?と不思議に思うものもあるかもしれないが、柔軟な思考で見ることで、写真の概念を拡張する新たな表現に出会えるはず。もし会場で作家に出会ったら、直接作家に疑問をぶつけてみるのもいい。制作の真髄に触れられるとともに、彼らの表現を一層深く理解することができる。
Vol.1 思考の痕跡をたどるインスタレーション
池ノ上のQUIET NOISEで行なわれているのは、宇田川直寛による「Assembly」。宇田川は『IMA』が主催するグループ展「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #4」(1月20日(金)~29日(日)IMA galleryにて開催中)にも出展している注目株。一見すると、制作途中にも思える「Assembly」の展示空間は、自宅での制作行為を、そのまま展示に置き換えたという。展示や制作の途中で出たマスキングテープや紙くず、額が入っていた段ボールもそのまま展示に生かされている。さらに設営時の様子はポラロイドで撮影され、そのままテーブルに置かれている。制作行為はどこまでも継続していて、展示はあくまでその流れの中に在るものであり、目的ではない、という宇田川の一連の思考の流れが見えて来る。意図や目的から遠ざかろうとしながらも、アナログな手触り感や作家の痕跡によって、私たちは単に写真を見るだけでなく思考をたどり、それを体験することができる。
1月21日(土)15:00~16:30には、宇田川直寛、横田大輔、山峰潤也、牧信太郎によるトークイベントも開催される。展示でしか出会えない空間を、ぜひお見逃しなく。
タイトル | 宇田川直寛「Assembly」 |
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会期 | 2017年1月5日(木)~1月23日(月) |
会場 | |
時間 | 11:00~20:00(最終日は18:00まで) |
休廊日 | 火曜 |
URL | http://www.quietnoise.jp/event/utagawa-naohiro-exhibition-assembly.html |
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パリ同時多発テロ事件以降の世界を視覚化する
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