イギリス人アーティスト、ジャック・デイヴィソンの作品集『PHOTOGRAPHS』がLoose Jointsより刊行された。
2007年から継続して制作するイメージを用いた実験の成果を1つのシリーズとしてまとめているディヴィソン。画家が絵を描くように直観や天性の感覚に従い、日常に埋没したシュールで官能的なものを掘り起こすような写真を撮る。
明暗を強調することで絵に深みを出す表現技法“キアロスクーロ(明暗法)”や、意味を曖昧にすることや逆に隠された意味を明らかにすることもできる写真の力が、そのユニークで巧妙なアプローチにおいて存分に生かされている。濃い陰影とタイトなフレーミングを特徴とする本作は、紛れもなく映画的な美意識で貫かれている。
本書においては、日常の出来事をシンプルにとらえていながら、丹念な演出と編集によるセットアップ写真からミステリーと深い意味を湛えたイメージへと実にさりげなくシフトしている。本書では、ディヴィソンの視点から見た世界を写した謎めいたポートレイト、風景写真、静物写真がきめ細やかなシークエンスとなり、情感溢れる複雑な世界観を表現している。
タイトル | 『PHOTOGRAPHS』 |
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出版社 | |
価格 | 6,800円+tax |
出版年 | 2019年 |
仕様 | ハードカバー/240mm×255mm/136ページ |
URL | https://ja.twelve-books.com/products/photographs-by-jack-davison |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。