スティーブン・ギルは、イギリス出身の写真家。現在はスウェーデンを拠点に活動している。当時拠点としていたイーストロンドンの空気感をイメージに取り入れるために、撮影した場所で見つけた蟻や植物、ガラス片などをカメラの中に入れて撮影したり、写真のネガを現像する際、休むことを許されない都市生活者の姿を投影したというエナジードリンクの中に浸したりと、そのアイディアは実験的でありながら、最終的に美しいイメージに昇華させる。
ギルは本作りにもこだわっており、Nobody Booksという自身のレーベルを立ち上げ、流通や販売も自身で行なっている。先月開催されたTOKYO ART BOOK FAIR 2019でもNobody Booksのブースをインスタレーションとして展開。初日からギルが手作りしたオーナメントや、作品のポスターで飾られたブースが展示される予定だったが、その荷物が海外から届く途中に紛失。展示タイトルの「Nobody(誰もいない)Pavilion」が現実となってしまった。幸いにも荷物は2日目に届き、現在では入手困難になってしまったギルの作品集を見ることができる貴重な機会となった。
本展では、何もない状態のパビリオンしか見ることができなかった人や、まだパビリオンを見ていない人たちのために、TABF2019での「Nobody Pavilion」を再現。また、会場ではNobody Booksより刊行された書籍や、『IMA』Vol.28 特集:スティーブン・ギルのすべても販売。一切の妥協なく作られたユニークな写真集で、多くのアーティストや出版社に影響を与えてきたNobody Booksの世界観をぜひ楽しんでみては。
タイトル | 「Nobody Pavilion」 |
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会期 | 2019年8月24日(土)~9月29日(日) |
会場 | POST(東京都) |
時間 | 12:00~20:00 |
休館日 | 月曜 |
URL | http://post-books.info/news/2019/8/24/exhibition-nobody-pavilion |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。