大坪晶の個展「Shadow in the House」が岡山・ポートアート&デザイン津山で10月5日(土)から開催。
本作は、時代の変遷とともに 所有者が入れ替わり、多層的な記憶を持つ家の室内空間を被写体としている。室内に残る歴史の記録であると同時に、ダンサーが動いた身体の軌跡を 長時間露光撮影によって 「おぼろげな影」として写し込むことで、何かの気配や 人がそこにいた痕跡を想像させる。それは、複数の住人の記憶が多重露光的に重なり合い、もはや明確な像を結ぶことのできない記憶の忘却を指し示すとともに、 それでもなお困難な想起へと開かれた通路でもある。
大坪は近年、 日本各地に現存する「接収住宅」を対象とし、 精力的な制作と調査を続けている。6月には、岡山市内に残存する 2件の邸宅での写真、映像作品の制作を行い、8月には文化庁の新進芸術家 海外研修制度 により、アメリカのワシントンD.C.にあるアメリカ国立公文書館(NARA)にて写真、映像資料の調査を行った。
本展では、これまでに 大坪が制作してきた邸宅の写真、映像作品を展示するとともに、NARAで調査した アーカイブ資料や、占領期を記憶する人々のインタビュー音声なども配置し、 複合的なインスタレーションを試みる。歴史的建築(旧妹尾銀行林田支店)の中で、 重層的な記憶が体感的に想起されるような貴重な機会となるだろう。
タイトル | 「Shadow in the House」 |
---|---|
会期 | 2019年10月5日(土)~10月20日(日) |
会場 | |
時間 | 10:00~18:00 |
休館日 | 火曜 |
URL |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。